1.エンドユーザーの嘆き

「バックホーは入手した時から修理が始まる」と、どこかに書かれていたと記憶します。

現在、2台のバックホーと2台の薪割機を使用していますが、意外なタイミングでトラブルが発生します。その中で一番多いトラブルは油漏れです。ほとんどは、高圧ホースの劣化であり、ホース交換になります。

問題は、ホースには継手(配管と配管をつなぎ合わせるための接合部に使うパーツ)が取り付けられており、この継手は種類が多く、“接続する側”と“接続される側”の規格が一致しないと、油が漏れ続けたり、あるいは継手を破損してしまうことです。

私が使用するバックホーは2台とも国産ですが、薪割機は1台が米国産で、もう一方は油圧ポンプとコントロールバルブが米国規格で設計され、製造はアジアの近隣国です。残りの部分は国産です。ということで、国内には、米国規格の継手と日本規格の継手が広く普及しています。

元来、気体、液体を流す配管は、工業、土木、建築において非常に重要な技術、規格であり、使用される部品には安定的な製造と流通が必要不可欠です。一方、技術や素材の進歩とともに、その成果を一刻も早く取り入れなければなら宿命にあり、それに伴い、規格も変化せざるを得ないという背景があります。

近年は、円滑な輸出入の実現を目的として、規格も国際的に統一する動きがあり、我が国においても計量法の改定がありました。しかしながら、配管は長年にわたる生活、建設・建築物、産業に密着したものであり、一朝一夕に規格を変更することは難しく、今日でも古い規格が残され、あるいは新旧の規格が併記されています。

更に、流体を扱う性質上、圧力の知識も求められ、非常に分かりづらくなっています。

エンドユーザーが個人であって、更に部品の購入先が毎回異なる場合、国内での新旧規格、新旧名称、あるいは米国などの海外規格と名称等々、購入者と販売者の間で必要な知識の欠落、情報の乖離等々が原因で、簡単な部品の購入も言葉が通じないようなもどかしさを感じることがあります。

大手メーカーの配管部品をネットで購入する場合、そこから学ぶことも多いのですが、急ぎの修理で、近くの部品販売店を訪れますと、多くは「現物を持参するように」と言われます。重機をトラックに積載し持参するわけにもいかないので—-.